ミスiD2019ファイナリスト

238
更地

更地

気がつくと私は更地に立っていた。 足元には雑草が青々と生い茂っている。 (家に帰らなくては) そう思い、歩いてみるがここがどこだかわからない。 ダウンのポケットに手を入れたが、スマートフォンは無かった。 仕方なく、ザクザクと雑草を踏む。 地面はなんだかボコボコしていて歩きにくく、 すぐによろけてしまう。 しばらく歩くと道路に出た。 タクシーが一台こちらに走ってくる。 私は手を上げた。 しかしタクシーは止まらずに 通り過ぎて行った。 空車になっていたの

6
ひよこ

ひよこ

ガタンガタン‥ガタンガタン‥ ひよこはベルトコンベアに乗せられて どんどん上に上がっていくよ。 「こわいよこわいよ」 隣のひよこは泣き出したけど 「大丈夫よ」と勇気づけてあげた。 私もほんとは泣きそうだけれど ガタンガタン‥ガタンガタン‥ 揺れて何度も尻もちをついたから お尻がとってもいたいよ。 自慢の羽毛が擦れて抜けてちらばった。 それでも上がっていくその先を 目を凝らして見てみたら 人間の手が見えてきた。 その手ははひよこをつぎつぎに掴んでいく

3